FTC、ベレッタのルガー株取得計画で取締役兼任を制限する同意命令案を受理
FTCは、イタリアの銃器大手ベレッタが米ルガーの株式を最大25%まで取得する計画をめぐり、クレイトン法8条が禁じる「取締役兼任(インターロッキング・ディレクトレート)」が生じる恐れがあるとして、ベレッタ指名者による取締役会入りを制限する同意命令案を受理した。
何が起きた?
FTCは、ベレッタ・ホールディング(Upifra S.A.傘下)とスタームルガー(Ruger)の間の株式購入契約について、独禁法上の懸念を解消する同意命令案を受理したと発表した。両社の計画では、ベレッタがルガー株の保有比率を最大25%まで引き上げ、ルガー取締役会に2名を指名できるようになる予定だった。FTCはこれがクレイトン法8条(競合企業間の取締役・役員の兼任禁止)に違反する取締役兼任を生む恐れがあると指摘。同意命令案は、ベレッタから独立していない人物をルガー取締役会に指名・任命することを禁止し、取締役任命の15日前までの事前通知義務や、ベレッタが指名した独立取締役に対し退任後1年間は雇用・金銭的関係を結んだり非公開情報を受け取ったりすることを禁じる規定を含む。この複合企業の複雑さを踏まえ、委員会は2対0でこの複合企業への異議申立てと同意合意案の受理を可決し、今後30日間、一般からの意見公募を行う。同意命令は正式に確定した段階ではなく、意見公募後に最終化される手続き上の段階にある。
なぜ重要?
米国の主要銃器メーカー2社(ベレッタとルガー)間の出資・取締役兼任を規制することで、FTCは業界内の競合企業間での機密情報共有や協調行動のリスクを未然に防ごうとしている。これはFTCが近年強化している「インターロッキング・ディレクトレート」規制の一環であり、他業界のM&A・出資案件においても、取締役会構成に関する事前の独禁法審査が重要になることを示す事例となる。
どこに効く?
想定される影響経路: 防衛、消費
🎧 今後30日間の意見公募の行方と、それを経て同意命令が最終化されるかどうかが次の注目点。また、ベレッタによるルガー株最大25%取得という出資計画自体が実際にどこまで実行されるか、独立取締役の選任プロセスがどう運用されるかも合わせて確認したい。