BANKING
2026-09-08 21:00

FTC、決済代行Humboldt Merchant Servicesと和解案 詐欺目的のダミー加盟店1,000社超の決済処理を問題視、1,200万ドル支払いへ

米連邦取引委員会(FTC)は2026年9月8日、決済代行会社Humboldt Merchant Servicesが詐欺業者の隠れ蓑となるダミー加盟店の決済を知りながら処理していたとして、同社に1,200万ドルの支払いと、不正リスクの高い加盟店の決済処理の恒久禁止を求める命令案を連邦地裁に提出したと発表した。命令案は裁判所の承認を経て効力を持つもので、現時点では確定していない。

何が起きた?

FTCは2026年9月8日付の発表で、決済代行会社Humboldt Merchant Servicesに対する措置を公表した。FTCの訴状によると、Humboldtは、無断課金詐欺を行う不正企業の表向きの窓口・資金の通り道として使われていたダミー会社(シェル企業)1,000社超の決済を処理していた。この中には、FTCが2024年に業務停止に追い込んだLegion Mediaも含まれる。訴状は、Humboldtが(1)第三者の詐欺に使われるシェル企業と知りながら、または意図的に知ろうとせずに加盟店口座を開設し決済を処理した、(2)シェル企業であることを示す危険信号があり、チャージバック率がカードブランドの「過大」基準のほぼ10倍に達していたにもかかわらず口座を開設した、(3)関連会社が使う低リスクの銀行BIN(カードネットワークがライセンスする銀行識別番号)にこれらの口座を移し、カード発行銀行に取引を承認されやすくして取扱量を増やそうとした、と主張している。命令案では、Humboldtは消費者への返金原資として1,200万ドルを支払う。あわせて、クレジットカード・ローンダリング(他社名義での決済処理)への関与・幇助、4種類の加盟店(名義貸しのダミー会社/チャージバック過多・ローンダリング・詐欺などを理由にMastercardのMATCHリストに載った加盟店/法執行措置を受けた加盟店/UPSストアなど私設私書箱だけを所在地とし、かつネガティブオプション課金を使うか新設または決済履歴がないEC事業者)の決済処理、加盟店口座の申請時などに虚偽・誤解を招く情報を出すこと、ロードバランシング(取引を複数口座に分散させる手法)など不正・リスク監視を逃れる手口の使用・幇助を禁じられる。命令案の提出を承認した委員会の採決は2対0で、ミシガン州東部地区連邦地裁に提出された。同意判決は、地裁判事が承認・署名した時点で法的効力を持つ。

なぜ重要?

詐欺業者そのものだけでなく、その決済を支えた決済代行会社(ペイメントプロセッサー)の責任を問う、FTCのこれまでの執行方針に沿った案件。命令案が承認されれば、高リスク加盟店の受け入れやBINの付け替え、ロードバランシングといった手口について、決済業界全体で加盟店審査(アンダーライティング)とリスク管理への監視が一段と厳しくなるとみられる。

どこに効く?

想定される影響経路: 決済、銀行、クレジットカード、消費者保護

ハク
ハクの見解

🎧 まず、地裁が命令案を承認・署名するかを確認したい。次に、1,200万ドルを財源とした消費者への返金がいつ始まるか。また、低リスクBINを貸していたとされる関連会社やカード発行銀行に、追加の措置が及ぶかも注目点。

出典:FTC
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