SANCTIONSBANKING
2026-10-02 21:00

ATM不正引き出しマルウェア「Ploutus」の開発者とされるベネズエラ人、FBI最重要指名手配犯を米国に移送 ネブラスカ連邦地裁に初出廷

米司法省は、FBIの「最重要指名手配犯トップ10」に載っていたベネズエラ国籍のアニバル・アレクサンダー・カネロン・アギーレ被告(50)の身柄を確保したと発表しました。同被告はATMから現金を不正に引き出すマルウェア「Ploutus」を開発したとされ、10月2日にネブラスカ州の連邦地裁に初出廷し、無罪を主張しました。

何が起きた?

司法省の発表によると、「Prometheus」「The Engineer」の別名を持つベネズエラ国籍のアニバル・アレクサンダー・カネロン・アギーレ被告(50)の身柄が確保されました。同被告は2026年3月にFBIの「最重要指名手配犯トップ10」に追加されており、サイバー犯罪者として初めて、通算では540人目の掲載でした。2025年12月にネブラスカ地区の連邦大陪審が起訴しています。罪状は4つで、それぞれの法定刑の上限は次のとおりです。(1)銀行詐欺の共謀:禁錮30年、罰金100万ドル。(2)銀行への不法侵入とコンピューター関連詐欺の共謀:禁錮5年、罰金25万ドル。(3)資金洗浄の共謀:禁錮20年、罰金50万ドルまたは対象資金の2倍。(4)テロリストへの物的支援の共謀:禁錮15年、罰金25万ドル。被告は10月2日、マイケル・D・ネルソン連邦治安判事の前に初出廷し、すべての罪状について無罪を主張しました。公判まで同地区で勾留されます。起訴内容では、被告はATMに現金を強制的に吐き出させる「ATMジャックポッティング」用マルウェア「Ploutus」の開発者で、この共謀の主要リーダーの1人とされています。ただし、いずれも現時点では疑いの段階です。この共謀は、米政府が外国テロ組織に指定したベネズエラの犯罪組織「トレン・デ・アラグア(TdA)」と結びついているとされます。ネブラスカ地区ではこれまでに120人が起訴され、うち3人に禁錮78カ月、78カ月、96カ月の判決が出ています。攻撃の対象または実行地は、47州、ワシントンDC、複数の外国に及んでいます。財務省の外国資産管理局(OFAC)は9月30日に同被告を制裁対象に指定しました。パテルFBI長官によると、トランプ政権発足以降にトップ10の手配犯を捕らえたのは今回で10人目です。また、過去18カ月で43カ国から107件の身柄の引き渡しを受けたとしています。ブランチ司法長官は、TdAの指定以降、メンバーと関係者約350人を起訴したと述べました。どこで身柄を確保したかは、本文には書かれていません。

なぜ重要?

米国の金融機関のATMを狙ったサイバー犯罪について、マルウェアの開発者とされる人物を米国で裁く手続きが始まりました。米政府は今回の事件を、外国テロ組織に指定したTdAの資金源の摘発と位置づけています。そのため、OFACの制裁と刑事訴追を組み合わせた対TdA政策の一環といえます。ただし今回は起訴後の初出廷と罪状認否の段階で、有罪はまだ確定していません。

どこに効く?

想定される影響経路: 銀行、サイバーセキュリティ

ハク
ハクの見解

🎧 今後の公判の進み方と、起訴状で示される被害額の規模が注目点です。あわせて、ATMを運営する金融機関やATMメーカーがジャックポッティング対策をどう強化するか、OFACがTdA関係者への追加制裁に動くかも確認が必要です。

出典:DOJ
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