米財務省、イラン制裁逃れを支援したロシアのVTB銀行を制裁指定
米財務省OFACは2026年9月14日、対イラン制裁の回避を助けたとして、ロシア最大級の金融機関VTB銀行を「Operation Economic Outcast」の下で制裁対象に指定した。米国内の資産凍結など、指定に基づく制裁措置が直ちに発効する。
何が起きた?
米財務省外国資産管理局(OFAC)は2026年9月14日、大統領令(E.O.)13902に基づき、ロシアの大手金融機関VTB銀行公開株式会社を、制裁対象のイラン系銀行との間でコルレス銀行関係を構築するなどイランの制裁逃れに関与したとして制裁指定した。VTB銀行はここ数年でイラン国内に銀行拠点を開設し、2025年1月からテヘランでの活動を拡大、イランリアルとロシアルーブルによる決済システムを構築し、二国間貿易拡大や凍結されたイラン資産の一部移動を進めていたとされる。VTB銀行は2025年1月15日にはE.O.13662(ロシア金融セクター関連)、2022年2月24日にはE.O.14024(ロシア政府支配下)によりすでに制裁対象となっており、今回で「世界で最も包括的に制裁された金融機関の一つ」になったと財務省は述べている。指定の結果、同行の米国内にある、または米国人が保有・管理する財産・権益はすべて凍結され、報告義務が生じる。本措置は2026年8月24日にベッセント財務長官が発表した対イラン包括制裁作戦「Operation Economic Outcast」の一環で、トルコおよびUAEの銀行を対象とした直近の措置に続くもの。
なぜ重要?
VTB銀行はロシア最大級の金融機関であり、対イラン制裁での追加指定により、同行と取引を続ける第三国の金融機関は二次制裁リスクに直接さらされることになる。財務省はこの措置を通じ、ロシア・イラン間の代替決済網(ルーブル・リアル建て決済システム)の遮断を狙っており、グローバルな銀行がVTBとの関係解消を迫られる可能性がある。イランの原油密輸や資金洗浄ネットワークへの締め付け強化とあわせ、対イラン・対ロシア両面での金融制裁の重複適用という構図が今後の企業・銀行のコンプライアンス対応に影響しうる。
どこに効く?
想定される影響経路: 銀行、ドル、原油、ロシア、イラン
🎧 今後は、欧州連合・英国・湾岸諸国がVTB銀行や関連するイラン向け決済網に対して同調制裁を科すかどうか、また同行と取引のあった第三国銀行(トルコ・UAEの銀行なども名指しされている)がどこまで取引を遮断するかが焦点になる。財務省が今週予定するとする「グローバル金融機関との協議」の内容や、Operation Economic Outcastの下での追加制裁対象の発表があるかも注視materialとなる。