ANTITRUSTBIG TECH
2026-09-16 21:00

米地裁、グーグルの広告技術独占で是正命令 Prebidとの連携義務化など命じる

米バージニア州東部地区連邦地裁は、グーグルの広告技術分野での独占行為をめぐる訴訟で、競合の入札システムPrebidとの連携義務化やデータ共有、AdWordsの非差別的入札などを命じる行動是正措置を下した。司法省独占禁止局は「重要な勝利」と評価している。

何が起きた?

米国司法省(DOJ)とバージニア州等が原告となった「United States et al. v. Google LLC」訴訟で、米バージニア州東部地区連邦地裁は2026年9月16日、グーグルの広告技術市場における違法な独占行為に対し、実質的な行動是正命令を下したと司法省が発表した。命令の内容は、(1)グーグルの広告取引所AdXと広告主向けツールAdWords、パブリッシャー向け広告サーバーDFPについて、オープンソースの入札標準Prebidや他社の広告サーバーとの連携構築・対応を義務付け、AdXは他のパブリッシャー広告サーバーにもリアルタイム入札を提出しなければならないこと、(2)パブリッシャーがDFPやAdXから自社データにアクセス・エクスポートできるようデータ共有を義務付けること、(3)AdWordsがグーグル自社の広告技術ツール(AdXなど)へ優先的に入札すること、およびDFPへ直接入札することを禁止すること、(4)最終判決(Final Judgment)の期間である6年間、監視人(モニター)と技術委員会によるグーグルの遵守状況の監督を設置すること、の4点。司法省副長官(Associate Attorney General)スタンリー・E・ウッドワード・ジュニア氏はこの判決を「独占禁止局の競争保護・回復に向けた取り組みの重要な勝利」と述べ、「今後の選択肢を検討するため判決内容の精査を続ける」とコメントした。裁判所は、独占の是正には過去の反競争的行為の停止命令だけでは不十分だとするグーグル側の主張を退け、独占の解消(termination of monopolies)を目的とすべきとする司法省の立場を認めた。司法省は判決内容を引き続き精査し、今後の対応を検討するとしている。

なぜ重要?

本件は、司法省がグーグルの広告技術(アドテック)事業の独占的地位に対して裁判所から実効性のある行動是正措置を獲得した事例であり、オンライン広告市場における競争構造そのものに影響を及ぼしうる。Prebidとの連携義務化やデータ持ち出し容易化は、パブリッシャー側の広告サーバー選択の自由度を高め、グーグル以外の広告技術事業者(トレードデスク等)に恩恵をもたらす可能性がある。一方でグーグルは判決内容の精査を続けており、控訴を含む今後の法的対応次第では実施時期や範囲が変動しうる点に留意が必要。

どこに効く?

想定される影響経路: BIG TECH、広告、反トラスト規制

ハク
ハクの見解

🎧 本記事はDOJの発表文のみに基づくため、グーグル側が控訴するか、命令の履行スケジュール(いつまでに連携を実装するか)がどうなるかは未確定。今後はグーグルの公式声明や控訴の有無、最終判決文(Final Judgment)の具体的な発効日・履行期限、株式市場(アルファベット株)や競合アドテック企業(The Trade Desk等)の反応を確認する必要がある。

出典:DOJ
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